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アンバランスなsweet
第10章 ひらきはじめた蕾
「そんなっ!真くん、ちが‥」

「ああ。紫乃ちゃんは俺と付き合うことになったから」



私の声に被せるように片桐さんの声が響いて。


さっき、返事は急がないって言ったのに――‥。
私まだ片桐さんに返事してないのに――‥。



「紫乃‥そうなのか?」



《あんな奴‥すっ、好きでも何でも無いっすよ。》



さっきの真くんの言葉が私の頭の中でこだまする。
真くんは私の事が好きじゃ無いのに―‥。



《紫乃は本当に誰でもいいんだな!》


ヒドイよ。誰でも良くなんか無いのに―‥。



その時、片桐さんの手がそっと私の手を握った。
大丈夫だよ、俺がついてる――そう言われている様な気がして。



私は――‥。



「そうだよ。真くん。私‥片桐さんと付き合うことしたんだ。」


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