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ブラックチョコレート
第1章 わたしの彼は



「ねぇ、星弥くん・・・?」

「ん?なに?」



綺麗な顔で笑った彼が、わたしのほうを向く。



「もうすぐバレンタインじゃん?」

「そうだね、おかげで忙しいんだよね」



そういうことじゃなくて・・・!



「欲しい物とか、ある?」

「紅里が作ってくれるなら、なんでもいいよ」



そういうことでもなくて、ですね・・・?



星弥くんに、手作りチョコなんて
あげられるわけないじゃん!



そうじゃなくたって、
料理はママの手伝いしてるけどそんなに出来ないし、
お菓子だって、数回しか作ったことがない。



昔つきあった人には
手作りチョコもあげたことあったけど、
星弥くんにあげる勇気は・・・ない・・・



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