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ブラックチョコレート
第3章 バレンタインデー



「じゃあ、泊まりで、行こうか?」

「ほんとに!?泊まりで行きたいっ!」


一緒に旅行に行けることが嬉しくて、
ぴょんぴょんと跳ねながら星弥くんに抱きついた。


「ちょっ、紅里のセーターで顔擦れて痛いんだけど」

「うわぁ!ごめん!」


星弥くんの綺麗な顔が
傷ついてしまったんじゃないかと思って
顔を近づけてまじまじと見た。

すると星弥くんの両手で
頬を両側から捕まれたと思ったら
ぶちゅーっと唇の形が変わる程の
強い口付けをされた。


「んーっ!」

「ぷはっ、紅里ありがと。好きだよ、大好き」

「わたしも大好きだよ」


ゆっくりと顔が近付いて、軽いキスを何度かした。

唇が離れると、星弥くんは
わたしの頭をぽんぽんと叩いて


「紅里が持ってきたチョコ、出して」


と言ってさっきプレゼントした
マグカップを持って立ち上がった。



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