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ブラックチョコレート
第4章 旅行に行こう
旅行当日、星弥くんは車で
わたしの家まで迎えに来てくれた。
「車持ってたの!?」
「いや、レンタカーだよ」
「電車の時刻とか調べてあったのに」
「だって車のほうがいろんな所に寄れるし、
少しでも2人っきりで居たかったんだよ」
星弥くんがハンドルに両手を置いて、
そこに顔を埋めるようにして恥ずかしそうに言った。
なにそれ、かわいすぎるんですけど!
顔を埋める星弥くんのふわふわの髪を撫でると
ビックリしたのか、急に顔を上げた。
「わあっ!星弥くん、急に顔上げないでよ」
「だ、だって頭撫でるからっ」
星弥くんの手が伸びてきて、
わたしの髪をくしゃくしゃと撫でた。
「ちょっと!せっかくかわいくしてきたのに!」
「はいはい、いつもかわいいですよ。ほら、行くぞ」
いつもみたいに綺麗な笑顔をわたしに向けて
わたしの胸をドキドキと跳ねさせたくせに
何もなかったみたいに前を向いて
星弥くんの運転する車がゆっくりと発進した。