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BLACK WOLF
第7章 獣のような目で














コンコン、ガチャ

「━━━━━入るぞ。お前もそろそろ風呂に…」
「━━━━っ‼」











あんな奴の言いなりにならない。

私の人生は私のものなんだから。




















降り続ける雨。

さっきより雨足も雷鳴も酷くなっている。

「ハァ…ハァ…ハァ…━━━━あっ!痛…っ」


雨に撃たれながら、びしょびしょになりながら、ぬかるんだ道を必死に走った。

足場が不安定なせいで何度も何度も転びながら。
















あの後、一頻り泣いた私は小さな目論みを実行しようと決意した。

正直、一か八かの賭けだったけど。





黒埼の電話が終わるまで、見つからないように息を殺しながら階段に身を潜めた。

リビング前の廊下からあの階段は死角になっているから見つからないと思った。

黒埼の寝室も2階にあるから階段に近づいたら終わりだったが電話を終えた黒埼がリビングを出て向かった先は風呂場。

まだシャワーを浴びてない方に賭けて階段に潜んだのだ。


風呂場からシャワーの音が出るのを確認した私は今さっきまで黒埼がいたリビングに浸入。

そこらへんに脱ぎ散らかしたスーツと仕事の書類がびっしり入った鞄が転がっていた。

とにかく、手当たり次第に物色した。

人のものを物色するなんて下品なやり方かも知れないが、黒埼だって私のアパートを勝手に物色したのだからこれでおあいこだ。



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