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BLACK WOLF
第8章 醒めない悪夢

ハルちゃんの声。
ハルちゃんの姿。
ハルちゃんの香り。
どれこれも私を落ち着かせるものばかり。
冷えきってた体も心も、芯から暖まって行く。
黒埼の家とは違う暖かさと温もりが私を安心させた。
腕に捕まりながら泣き止まない私を"しょうがねぇなぁ"と甘やかしてくれる。
"情なんて移りませんよ!"
"そのうちどこかにお譲りしますよ"
黒埼の言葉が頭から離れない。
あの瞬間、まるで地獄に突き落とされた気分だった。
…いや、あの家は私にとっては元々地獄のようなものだった。
あの男が優しいなんて勘違いするところだった。
あんな男…っ。
何故、こんなにも心が冷たいんだろう。
風邪をひくほど体が冷え切ってたから?
あそこから逃げれてハルちゃんに会えて嬉しいはずなのに、どうしてこんなに心が痛いの…?
「よしっ!出来た!ハルちゃんの特製卵粥~」
「いい匂い…」
一頻り泣いた私の為にハルちゃんが晩ごはんを作ってくれたのだ。
本当は食欲なんてあまりないけど、食べなきゃ力が出ねぇぞってハルちゃんに叱られたから。
「一応頑張って自炊はしてるんだけど誰かの為に作ったのなんか初めてだから味は保証出来ねぇんだけど。あ、起きれるか?」
「…うん、ありがとう」
少し動いただけでも体に激痛が走るが、今はこの痛みさえ嬉しい。
夢じゃないんだと実感する。
私の体を支えながら体を起こすのを手伝ってくれる。
私が全体重を預けてもビクともしない腕。
心が痛いのはきっと今だけ。
あの男から逃げられたのだから、きっとこれからこの痛みも和らいでいくに違いない。
ハルちゃんの姿。
ハルちゃんの香り。
どれこれも私を落ち着かせるものばかり。
冷えきってた体も心も、芯から暖まって行く。
黒埼の家とは違う暖かさと温もりが私を安心させた。
腕に捕まりながら泣き止まない私を"しょうがねぇなぁ"と甘やかしてくれる。
"情なんて移りませんよ!"
"そのうちどこかにお譲りしますよ"
黒埼の言葉が頭から離れない。
あの瞬間、まるで地獄に突き落とされた気分だった。
…いや、あの家は私にとっては元々地獄のようなものだった。
あの男が優しいなんて勘違いするところだった。
あんな男…っ。
何故、こんなにも心が冷たいんだろう。
風邪をひくほど体が冷え切ってたから?
あそこから逃げれてハルちゃんに会えて嬉しいはずなのに、どうしてこんなに心が痛いの…?
「よしっ!出来た!ハルちゃんの特製卵粥~」
「いい匂い…」
一頻り泣いた私の為にハルちゃんが晩ごはんを作ってくれたのだ。
本当は食欲なんてあまりないけど、食べなきゃ力が出ねぇぞってハルちゃんに叱られたから。
「一応頑張って自炊はしてるんだけど誰かの為に作ったのなんか初めてだから味は保証出来ねぇんだけど。あ、起きれるか?」
「…うん、ありがとう」
少し動いただけでも体に激痛が走るが、今はこの痛みさえ嬉しい。
夢じゃないんだと実感する。
私の体を支えながら体を起こすのを手伝ってくれる。
私が全体重を預けてもビクともしない腕。
心が痛いのはきっと今だけ。
あの男から逃げられたのだから、きっとこれからこの痛みも和らいでいくに違いない。

