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BLACK WOLF
第8章 醒めない悪夢

「ちゃんと眠れたか?」
「…何とか」
何だか…本当に久しぶりにゆっくり眠れた気がする。
夢すら見ないほどに熟睡出来たような気がする。
黒埼さんの家では気を張りすぎてちゃんと眠れなかった。
毎日毎日、死人のように過ごしてた。
眠る、食べるという本能を忘れ、まるで生きた屍のように。
でも、今は違う。
ハルちゃんの優しさに触れて私は生き返った。
人形から人間に戻れたんだ。
「眠れたならよかった。お前、イビキかいてたぞ?」
「えっ!?嘘っ!?」
「嘘。俺の起きる物音にも気づかないくらい熟睡してた。ははっ」
「…何よ、嘘つき」
そうだ…、ハルちゃん、いつの間に起きたんだろ?
私のせいで睡眠時間、足りてないんじゃ…?
私がベッドを取ったせいであんな固い床の上で眠るはめになって疲れも取れてないんじゃ…?
ネクタイを結び終えたハルちゃんは私の額にそっと手を乗せて体温を調べてくれている。
「熱は下がったみたいだな」
"俺は舞が好きだ"
…やばい。
思い出しちゃった…。
昨日、私はこの手に抱き締められてたんだ…。
「でもまだ顔が赤いな、もうちょっと眠ってろよ」
「え…う、うん…」
熱いのは、風邪のせいだけじゃない。
本当は、昨日に比べると体調はだいぶ良くなったと思う。
まだ頭は痛いけど、あの気怠さも辛さもなくなってる。
でも、そんな事など知らないハルちゃん。
「俺が帰ってくるまで1人で大丈夫か?」
と、まだ私の心配をしてくれてる。
「…何とか」
何だか…本当に久しぶりにゆっくり眠れた気がする。
夢すら見ないほどに熟睡出来たような気がする。
黒埼さんの家では気を張りすぎてちゃんと眠れなかった。
毎日毎日、死人のように過ごしてた。
眠る、食べるという本能を忘れ、まるで生きた屍のように。
でも、今は違う。
ハルちゃんの優しさに触れて私は生き返った。
人形から人間に戻れたんだ。
「眠れたならよかった。お前、イビキかいてたぞ?」
「えっ!?嘘っ!?」
「嘘。俺の起きる物音にも気づかないくらい熟睡してた。ははっ」
「…何よ、嘘つき」
そうだ…、ハルちゃん、いつの間に起きたんだろ?
私のせいで睡眠時間、足りてないんじゃ…?
私がベッドを取ったせいであんな固い床の上で眠るはめになって疲れも取れてないんじゃ…?
ネクタイを結び終えたハルちゃんは私の額にそっと手を乗せて体温を調べてくれている。
「熱は下がったみたいだな」
"俺は舞が好きだ"
…やばい。
思い出しちゃった…。
昨日、私はこの手に抱き締められてたんだ…。
「でもまだ顔が赤いな、もうちょっと眠ってろよ」
「え…う、うん…」
熱いのは、風邪のせいだけじゃない。
本当は、昨日に比べると体調はだいぶ良くなったと思う。
まだ頭は痛いけど、あの気怠さも辛さもなくなってる。
でも、そんな事など知らないハルちゃん。
「俺が帰ってくるまで1人で大丈夫か?」
と、まだ私の心配をしてくれてる。

