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BLACK WOLF
第10章 深く、奥まで…

「ど、して…ぁっ、ど、してです…か?」

「あっ?まだ喋れる気力が残ってんのか?」

「ど、して…私を…」

「は?」




黒埼さんがこんなことをするのは、私が逃げ出したから。

でも、どうして私にそこまでこだわるの?

そのうち誰かに譲るって笑いながら言ってたくせに。





呂律の回らない口で疑問をぶつけた。

だって、私は何もない田舎娘だ。

借金のカタだというなら、どうしてこんな辱しめを受けなきゃいけないの?

行く行く誰かに譲るぐらいの価値しかない私に、どうしてこんなことを…っ。




そして、酒井さんは

この人の何を見て"優しい"なんて言ったのだろう。




すると、黒埼さんはズボンのポケットから小さな鍵を取り出した。

そして、私の足を固定していた鎖を外し、両腕の手錠も外してくれた。

自由になった腕はだらんっと下に落ちてきて、腕に一気に血液が巡るのがわかった。



…許してもらえたんだ。



そう思った。

息を整うのを待とうと思ったのだが




「"どうして?"だ?言っただろ?お前は俺の人形なんだと…」

「な…━━━━━━きゃあぁっ!痛いっ!!」





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