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BLACK WOLF
第11章 満月の夜の狼
「悲鳴を上げるのはこっちだ。覗きが趣味なのか?」
ドアの向こうからクスクスと笑いながら下品な物言いが聞こえた。
こっちは驚きすぎて心臓がバクバク言って…。
「か、鍵ぐらいかけて下さい…っ!」
「ここは俺の家だ。家の主が鍵をかける必要なんかあるか?」
確かにそうだ。
それに男性が鍵をかける必要もないし。
「お、お仕事は…?」
「休憩中だ。それより風呂に入りに来たんじゃないのか?」
「そ、そうです。でも、また後で来ます。どうぞごゆっくり…」
今のは完全に私のミスだ。
この家の主の有無を確認しなかったのだから。
高鳴る心臓を抑えながら出直そうとその場から離れようとした時だ。
「待て」
「え…?きゃあっ!」
ドアから離れた一瞬の隙を突いて
内側からドアを開けた黒埼さんの手に引っ張られ、ムリヤリ脱衣場に引き込まれてしまったのだ。
「や…痛いっ、離して…っ」
私の体を完全に引き寄せるとそのまま脱衣場のドアを閉めた。
バタンッという音が後ろから聞こえた。
湯気のせいか薔薇の香りがいつもよりきつく感じる。
私の腕を掴んだままの黒埼さん。
当然、黒埼さんの体のそばにまで引き寄せられている。
「な、何を…っ」
睨み付けようと黒埼さんの顔を見上げると━━━
ポタポタと雫が落ちる黒髪、その前髪の隙間から覗く射るような目。
いつもスーツを着てるから気づかなかったけど、がっしりとして厚い胸板と体。
ドアの向こうからクスクスと笑いながら下品な物言いが聞こえた。
こっちは驚きすぎて心臓がバクバク言って…。
「か、鍵ぐらいかけて下さい…っ!」
「ここは俺の家だ。家の主が鍵をかける必要なんかあるか?」
確かにそうだ。
それに男性が鍵をかける必要もないし。
「お、お仕事は…?」
「休憩中だ。それより風呂に入りに来たんじゃないのか?」
「そ、そうです。でも、また後で来ます。どうぞごゆっくり…」
今のは完全に私のミスだ。
この家の主の有無を確認しなかったのだから。
高鳴る心臓を抑えながら出直そうとその場から離れようとした時だ。
「待て」
「え…?きゃあっ!」
ドアから離れた一瞬の隙を突いて
内側からドアを開けた黒埼さんの手に引っ張られ、ムリヤリ脱衣場に引き込まれてしまったのだ。
「や…痛いっ、離して…っ」
私の体を完全に引き寄せるとそのまま脱衣場のドアを閉めた。
バタンッという音が後ろから聞こえた。
湯気のせいか薔薇の香りがいつもよりきつく感じる。
私の腕を掴んだままの黒埼さん。
当然、黒埼さんの体のそばにまで引き寄せられている。
「な、何を…っ」
睨み付けようと黒埼さんの顔を見上げると━━━
ポタポタと雫が落ちる黒髪、その前髪の隙間から覗く射るような目。
いつもスーツを着てるから気づかなかったけど、がっしりとして厚い胸板と体。