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BLACK WOLF
第11章 満月の夜の狼
屈辱的だった。

ハルちゃんを使って脅迫されて、私の自由も尊厳も何もかもを奪って、更にはこんな辱しめを受けさせられて。

何もかもを奪われた私にも、最後の意地で守りたいプライドがあった。

けれど、それさえもこの人は奪っていく。







「い、れ…っ、あぁぁぁっ!」

「聞こえねぇ。もっと、ちゃんと言ってみろ?」

「い…あぁっ!い、れ…あっ!」

「聞こえない。もう1回」








頭の中が真っ白になって行く。

もう何も考えられない。










「あぁっ!い、挿れて…挿れて下さ…っ!あぁぁんっ!!」










脱衣場に響くような声で、快感を押し殺しながら必死に叫んだ。

もう、理性も思考も何もかもがどうでもよかった。

ただ、この拷問のような快感から逃げたくて、解放されたくて…。







約束通り、黒埼さんは私のソコから離れてくれた。

そして立ち上がり、余韻で微睡む私に視線を合わせながら頭を撫でて来た。

「よく出来ました。どうせなら"中をぐちゃぐちゃに掻き回して"とか卑猥な台詞で興奮させてもらいたいものだな?」

「ハァ、ハァ…ぁっ」

「そんな余裕もねぇか…」

またバカな難題を突き付けて来てるが反論する気にもなれない。

恥ずかしさと疲れと余韻で頭がボーッとする。

洗面台から降りようにも足が震えてちゃんと立てるのか怪しいところだ。

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