この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
BLACK WOLF
第12章 その鋭い牙で仕留める如く
「あっ、う…」
嬉しさのあまり涙が浮かんだ。
一時は死さえ覚悟したのに、こんな奇跡が起こるなんて夢にも思わなかった。
私は一生、この牢獄から抜け出せないと思っていた。
「今晩は最低なご主人様とディナーでもするか?」
「え…?あ…」
今晩、黒埼さんとディナー?
あ、そっか。
最後の最後だからお別れのディナーの事かな…?
本当なら今すぐここを出てハルちゃんの元へ帰りたいけど、今ここで下手な事をしたら強引にL.Aに連れて行かれるかも知れない。
最後まで大人しく言うことを聞いた方がいいかも知れない。
「…わかりました」
「じゃ、早速酒井さんにフルコースを頼んでおく」
そう言って私の部屋のドアを閉め1階へと降りて行ってしまった。
1人、静かな部屋に残った私は
今までにないくらいの喜びを感じていた。
帰れる。
元の世界へ、いつもの在り来たりな毎日へ帰れる。
ハルちゃんの元へ戻れる!
胸のドキドキが止まない、嬉しい。
でも、何事もなかったかのようにハルちゃんの元へは帰れない。
ハルちゃんの気持ちには答えられてないし、そんな事考える余裕もなかったし、2度と会えないと思ってたし。
それに、ハルちゃんの前から2度も勝手にいなくなっちゃったんだもん、どんな顔して会えばいいのか…。
それでも、私の心はここから解放されるということだけで嬉しかった。
心が踊って、まるで生きる希望の光が見えたみたいだった。
嬉しさのあまり涙が浮かんだ。
一時は死さえ覚悟したのに、こんな奇跡が起こるなんて夢にも思わなかった。
私は一生、この牢獄から抜け出せないと思っていた。
「今晩は最低なご主人様とディナーでもするか?」
「え…?あ…」
今晩、黒埼さんとディナー?
あ、そっか。
最後の最後だからお別れのディナーの事かな…?
本当なら今すぐここを出てハルちゃんの元へ帰りたいけど、今ここで下手な事をしたら強引にL.Aに連れて行かれるかも知れない。
最後まで大人しく言うことを聞いた方がいいかも知れない。
「…わかりました」
「じゃ、早速酒井さんにフルコースを頼んでおく」
そう言って私の部屋のドアを閉め1階へと降りて行ってしまった。
1人、静かな部屋に残った私は
今までにないくらいの喜びを感じていた。
帰れる。
元の世界へ、いつもの在り来たりな毎日へ帰れる。
ハルちゃんの元へ戻れる!
胸のドキドキが止まない、嬉しい。
でも、何事もなかったかのようにハルちゃんの元へは帰れない。
ハルちゃんの気持ちには答えられてないし、そんな事考える余裕もなかったし、2度と会えないと思ってたし。
それに、ハルちゃんの前から2度も勝手にいなくなっちゃったんだもん、どんな顔して会えばいいのか…。
それでも、私の心はここから解放されるということだけで嬉しかった。
心が踊って、まるで生きる希望の光が見えたみたいだった。