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BLACK WOLF
第12章 その鋭い牙で仕留める如く
それに、黒埼さんがL.Aに行ってしまえばもう2度と会うこともないだろう。
私の体を好き勝手に弄び、いたぶったあの狼…。
もう会うことなんか…っ。
黒埼さんとは2度と会えない…。
私の事を美しい言ったあの人。
空腹の狼が餌を貪るように私の体を夢中で食べ散らかし、頭の芯から溶けてしまいそうなぐらいの口づけや、霰もない姿を晒す行為を教えたあの獣。
私の初めてをも強引に奪った…。
そんな激しいあの人、もう会えなくなる…。
そこまで考えた瞬間、ハッと我に返った。
別に会えなくなったところで何も困らない。
会えなくなるに越したことはない。
あんな男、私は殺したいくらい大嫌いだ。
寂しいとか、切ないなんて感じる私がどうかしてるだけだ。
私は…あんな男…っ!
何度も支配され、幼馴染みを餌に卑劣な行為を繰り返し、私の体も心も思い通りに動かし、踏みにじって来た。
いなくなってせいせいすることはあっても、寂しさを感じるなんて有り得ない。
絶体、有り得ない…っ!
PM07:30。
いつもの夕飯の時間だ。
ディナーとは言ってたけど、酒井さんに作らせると言ってたし外食するわけではなさそうだ。
身支度を整えた私は1階のダイニングキッチンへと向かった。