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BLACK WOLF
第12章 その鋭い牙で仕留める如く
ジャラ、カチャン…
起き上がろうとした瞬間に聞こえた何かの金属音。
その音に嫌な汗が背中を伝った。
心臓がドキドキしてる。
私、この音知ってる。
この、嫌な音。
体が小刻みに震えだす。
そんな…、嘘よ…。
だ、だって、黒埼さんは言ってくれた…。
ハルちゃんの元へ戻れと…。
なのに、どうして…。
震える体、必死に全神経を集中させた。
自室のベッドに寝かされてると思ってたけど、ベッドにしては背中に感じる感覚は冷たいし固い。
それに、足が動かない。
いつかのM字開脚のまま一切動かない。
それに、腕も万歳状態で動かない。
そして、何より体に感じる空気がとにかく冷たい。
「言っただろ?それ相応の待遇を考えてるって」
「ひぃ…」
小さな悲鳴が漏れた。
薄暗い室内だがだんだんと目が慣れてきた。
そこは、いつか連れて来られたあの地下牢だ。
ハルちゃんのマンションから連れ戻された時に真っ先に連れて来られたあの部屋だ。