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BLACK WOLF
第12章 その鋭い牙で仕留める如く
「最低っ!!あんたなんか大嫌いっ!!あんたなんか…っ」
信じてたのに…。
ここから逃げ出せると…、ハルちゃんのいる世界に帰れると信じてたのに…。
そんな小さな期待すら握りつぶされてしまった。
天国から一気に地獄に叩き落とされてしまったのだ。
「嫌い!大っ嫌い!!顔も見たくないっ!人でなしっ!!最低男っ!」
瞳から溢れる涙。
泣き声を堪えながら溢れでる罵声を浴びせられるだけ浴びせた。
怒りとパニックのせいで大した言葉が出てこない。
動けない体を捻りながら体全体で怒りを表現するたびに全身に絡まっている鎖がジャラジャラと響く。
冷たい目をしたこの男にどんな罵声を浴びせたところでどうにもならないとわかってるのに。
「あ、あんたなんか…ひっく…うっ」
こんな男を信じて、バカみたいに騙されてこんな格好をさせられて、情けない。
悔しかった。
「ひっく…ひっ」
「好きに言え。どのみちお前に逃げ道はねぇんだから」
「や、やだっ!触んないでっ!!」
黒埼さんの手が私の頬にゆっくりなぞるように触れてきた。
氷のように冷たいその手の感触が恐くて不気味に感じた。
まるで人間味がない。
「やめて…っ、い、嫌…」
震える体。
それに合わせて鎖と鎖がぶつかり合って金属音が鳴る。
「やっ━━━━━━んっ!」
いつものように私に覆い被さるような体勢で私に覆い被さり
重ねた唇の隙間から強引に割るように黒埼さんの舌が口内に入ってくる。
いつものように心を凍らせてれば終わるはずなのに
━━━━ガリッ
「…………っ!」
鈍い感覚。
私の唇と体から黒埼さんがパッと離れた。
そして、私の口内に広がる鉄の味。
信じてたのに…。
ここから逃げ出せると…、ハルちゃんのいる世界に帰れると信じてたのに…。
そんな小さな期待すら握りつぶされてしまった。
天国から一気に地獄に叩き落とされてしまったのだ。
「嫌い!大っ嫌い!!顔も見たくないっ!人でなしっ!!最低男っ!」
瞳から溢れる涙。
泣き声を堪えながら溢れでる罵声を浴びせられるだけ浴びせた。
怒りとパニックのせいで大した言葉が出てこない。
動けない体を捻りながら体全体で怒りを表現するたびに全身に絡まっている鎖がジャラジャラと響く。
冷たい目をしたこの男にどんな罵声を浴びせたところでどうにもならないとわかってるのに。
「あ、あんたなんか…ひっく…うっ」
こんな男を信じて、バカみたいに騙されてこんな格好をさせられて、情けない。
悔しかった。
「ひっく…ひっ」
「好きに言え。どのみちお前に逃げ道はねぇんだから」
「や、やだっ!触んないでっ!!」
黒埼さんの手が私の頬にゆっくりなぞるように触れてきた。
氷のように冷たいその手の感触が恐くて不気味に感じた。
まるで人間味がない。
「やめて…っ、い、嫌…」
震える体。
それに合わせて鎖と鎖がぶつかり合って金属音が鳴る。
「やっ━━━━━━んっ!」
いつものように私に覆い被さるような体勢で私に覆い被さり
重ねた唇の隙間から強引に割るように黒埼さんの舌が口内に入ってくる。
いつものように心を凍らせてれば終わるはずなのに
━━━━ガリッ
「…………っ!」
鈍い感覚。
私の唇と体から黒埼さんがパッと離れた。
そして、私の口内に広がる鉄の味。