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BLACK WOLF
第12章 その鋭い牙で仕留める如く
その呻き声は、まるで何かで口を塞がれてるような声。
だけど、それでもわかる。
この声の主を…。
震えながら、それでも心は確信に近かった。
黒埼さんならやりかねないと…。
ゆっくり首を右に向けて、目を凝らした。
「んっ!んっ!」
「ハ、ルちゃん…?」
右隣には壁。
その壁に貼り付けられるようにして鎖で繋がれていたのは
口をガムテープで封印された幼馴染みの姿だった。
「い、や…っ、いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
思わず左に首を回しハルちゃんから目を反らした。
どうしてハルちゃんが?
どうしてここにハルちゃんがいるの…っ?
どうして…
今の私の姿を全部見てたの…?
全部…?
私が不様に喘ぎながら獣みたいに乱れてた姿を…っ!?
私とハルちゃんの距離は約3mほど離れてて、でもあの位置からじゃ私の姿は丸見えだ。
そう。
全部見られてたのだ。
ハルちゃんに…、全部…っ。
「どうした?お前の大好きな幼馴染みだろ?久しぶりの再会を喜んだらどうだ?」
そう言いながら私の頬に触れて来たが…
この人はマトモじゃないっ!
「ど、して…」
「あ?何だ?」
「どーしてこんなことするのっ!?ハルちゃんには何もしないって約束したじゃないっ!!」
そう全てはハルちゃんの為だった。
私を庇い、優しくしてくれたハルちゃんの為に必死で我慢してきた。
どんなに蹂躙されてもハルちゃんの為なら我慢出来たのに。