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BLACK WOLF
第3章 狼の牙
ゆっくり、ゆっくりと、私の意識は覚醒して行く。
見たこともない部屋と天井に、私はベッドに寝かされ両腕の自由を奪われている。
何この状況。
「黒埼さん、あの…」
ゾクッ
背筋が凍りついた。
カーテンも締め切られ、付いてるのは微弱なスタンドライトの灯りだけ。
そこそこ広いこの部屋を照らすには足りない灯り。
その灯りに照らされて見えた黒埼さんは、さっきまでの紳士で優しい黒埼さんじゃなかった。
獲物を狩る狼の目。
一気に嫌な予感が一気に全身を駆け巡る。
「く、くろさきさ…」
「さすが、田舎育ちのお嬢さんはあっさり人を信じてくれる…。まさか薬入りの紅茶とも知らないで」
薬入り…?
薬って…?
さっき、カフェで飲んだ紅茶に…?
煙草を灰皿で揉み消し、ゆっくりゆっくり私に歩み寄る狼。
「な、何の冗談ですか?…いやっ、来ないでっ!」
逃げようにも縄は私の素肌にがっちりと食い込んでいてそう簡単には外れそうになかった。
下手に動けば縄が更に食い込み腕を痛めるだけ。
「それ以上近寄らないでっ!」
「どうぞ、好きなだけ喚いてください。ここは俺がご贔屓にしてるホテルだからちょっとのことは目を瞑ってくれる。それに防音もばっちり。まぁ、どうせこのフロアには誰もいないから助けなんて来ねぇけど」
黒埼さんの口調が変わった。
さっきと違って乱暴で粗野な物言いと態度。
本当にこれが黒埼さん?
「ど、うして…?何でこんなこと…」
恐怖で声と体が震える。
今、私の目の前にいるこの人は誰?
見たこともない部屋と天井に、私はベッドに寝かされ両腕の自由を奪われている。
何この状況。
「黒埼さん、あの…」
ゾクッ
背筋が凍りついた。
カーテンも締め切られ、付いてるのは微弱なスタンドライトの灯りだけ。
そこそこ広いこの部屋を照らすには足りない灯り。
その灯りに照らされて見えた黒埼さんは、さっきまでの紳士で優しい黒埼さんじゃなかった。
獲物を狩る狼の目。
一気に嫌な予感が一気に全身を駆け巡る。
「く、くろさきさ…」
「さすが、田舎育ちのお嬢さんはあっさり人を信じてくれる…。まさか薬入りの紅茶とも知らないで」
薬入り…?
薬って…?
さっき、カフェで飲んだ紅茶に…?
煙草を灰皿で揉み消し、ゆっくりゆっくり私に歩み寄る狼。
「な、何の冗談ですか?…いやっ、来ないでっ!」
逃げようにも縄は私の素肌にがっちりと食い込んでいてそう簡単には外れそうになかった。
下手に動けば縄が更に食い込み腕を痛めるだけ。
「それ以上近寄らないでっ!」
「どうぞ、好きなだけ喚いてください。ここは俺がご贔屓にしてるホテルだからちょっとのことは目を瞑ってくれる。それに防音もばっちり。まぁ、どうせこのフロアには誰もいないから助けなんて来ねぇけど」
黒埼さんの口調が変わった。
さっきと違って乱暴で粗野な物言いと態度。
本当にこれが黒埼さん?
「ど、うして…?何でこんなこと…」
恐怖で声と体が震える。
今、私の目の前にいるこの人は誰?