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BLACK WOLF
第14章 夢をみていた獲物
そう。

お金を借りてた張本人が亡くなり、残されたお母さんに返済を迫り、そのお母さんすら亡くした今は娘の私を借金のカタとして監禁したのだから。

お父さん本人とお母さんにはどんな取り立てをしていたのか…、そう思うと何も知らずにのほほんと生きてきた自分が嫌になった。

情けなかった。

窓に反射して写ってる自分の顔を見ると、本当に無力で情けない顔だ。

私は、何も知らずに生きてきた………。




「舞ちゃん、あなた何の事言ってるの?」

「え…?」

「取り立てとか悪魔とか…、一体何の話をしてるんだい?」

「だから、黒埼さんからの借金の話━━━━━━━」






















そう。

私は本当に何も知らずに生きてきた。


























黒埼さんの家から車を走らせて1時間。

車は都心を抜けて閑静な住宅街へと入って行った。

「お客さん、着きましたよ。お代は黒埼様から頂いてますんで」

「どうもありがとうございます。さ、舞ちゃん着いたよ」

車を降りると、そこは住宅街の中に建つ2階建ての少し古びたアパートだった。

私が住んでた木製ワンルームの学生アパートよりは幾分マシそうなコンクリートで出来たアパート。

「はい。ありがとうございます」

タクシーのドアを閉めるとタクシーはそのまま走り出して行った。

「叔母さん、ここ…」

「叔母さん、今ここに住んでるの。元々田舎暮らしだったから姉さんの家に住もうと思ったけど山奥だしいろいろ不便だからね。こっちに越して来たんだよ」

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