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BLACK WOLF
第14章 夢をみていた獲物
「はい。パジャマ。女の子のパジャマを買うなんてちょっと照れ臭かったけど」
「ありがとう……」
叔母さんが用意してくれた水色の可愛いパジャマ。
そして、畳6帖分の部屋に引かれた布団2組。
何もかも、実家にいた時と同じだ。
ベッドじゃなくて畳の床に引かれた布団に殻枕。
その布団に寝転んで見上げた天井には紐付きの電気。
黒埼さんの家に居たときは、体が沈みそうなほど柔らかくて、寝返りを打っても充分過ぎるほどの大きなベッド。
頭を安定させるには不十分な羽毛の枕。
天井なんて体育館ほどの高さだし豪華なシャンデリヤまで付いてたし、どれもこれも落ち着かなかったな。
でも、今は違う。
そもそもあの部屋にあるものは全部私には不釣り合いなものばかりだった。
シャンデリヤもベッドもシルクのパジャマも。
「叔母さん、何か仕事でもしてるの?」
「近所のお弁当屋さんで朝の8時から夕方5時まで働いてるよ」
「大変だね」
「働くのが好きだからね。平気だよ」
そう言って私の隣に寝転び電気の紐を引っ張ると部屋は真っ暗になった。
私の横に寝転び布団を被りお互いに眠る体制に入ったが、眠れそうになかった。
目を閉じると、黒埼さんの顔が浮かんで、何だか申し訳ない気持ちになってしまって…。
懐かしい空間で落ち着いて眠れるはずだったのに。
この部屋に来てから全然落ち着けてない。
叔母さんの話を聞いてから黒埼さんの顔が頭にちらついてる。
でも、黒埼さんの顔を思い出すたびに心が締め付けられて、罪悪感に似た感情が胸を締め付けてる。
食事の味すらわからなかった。
「でも、舞ちゃんが無事で本当によかった。姉さんのお葬式の日以来連絡が付かなかったから心配で心配で」
「ありがとう……」
叔母さんが用意してくれた水色の可愛いパジャマ。
そして、畳6帖分の部屋に引かれた布団2組。
何もかも、実家にいた時と同じだ。
ベッドじゃなくて畳の床に引かれた布団に殻枕。
その布団に寝転んで見上げた天井には紐付きの電気。
黒埼さんの家に居たときは、体が沈みそうなほど柔らかくて、寝返りを打っても充分過ぎるほどの大きなベッド。
頭を安定させるには不十分な羽毛の枕。
天井なんて体育館ほどの高さだし豪華なシャンデリヤまで付いてたし、どれもこれも落ち着かなかったな。
でも、今は違う。
そもそもあの部屋にあるものは全部私には不釣り合いなものばかりだった。
シャンデリヤもベッドもシルクのパジャマも。
「叔母さん、何か仕事でもしてるの?」
「近所のお弁当屋さんで朝の8時から夕方5時まで働いてるよ」
「大変だね」
「働くのが好きだからね。平気だよ」
そう言って私の隣に寝転び電気の紐を引っ張ると部屋は真っ暗になった。
私の横に寝転び布団を被りお互いに眠る体制に入ったが、眠れそうになかった。
目を閉じると、黒埼さんの顔が浮かんで、何だか申し訳ない気持ちになってしまって…。
懐かしい空間で落ち着いて眠れるはずだったのに。
この部屋に来てから全然落ち着けてない。
叔母さんの話を聞いてから黒埼さんの顔が頭にちらついてる。
でも、黒埼さんの顔を思い出すたびに心が締め付けられて、罪悪感に似た感情が胸を締め付けてる。
食事の味すらわからなかった。
「でも、舞ちゃんが無事で本当によかった。姉さんのお葬式の日以来連絡が付かなかったから心配で心配で」