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BLACK WOLF
第14章 夢をみていた獲物
私の隣に眠ってる叔母さんの声。

部屋が真っ暗なせいで叔母さんの表情は見て取れないけど、声色からして本当に私を心配してくれてたみたいだ。

でも、さすがに黒埼さんに監禁されてたなんて言えない。

叔母さん達からすれば黒埼さんは会社の恩人なわけだし、私だって身内にそんな事言えない。

「…うん。ごめんね」

「これからの事とかいろいろ話したくてね、姉さんに聞いてた東京の住所を尋ねたんだけどアパートも解約済みだったし。黒埼さんのお宅にいるって聞いた時は腰が抜けるかと思ったわ~」

アパートも大学も黒埼さんが勝手に解約しちゃったんだっけ。

ハルちゃんにも同じような事言われて叱られたっけな。

「けど舞ちゃん、何で黒埼さんの家なんかに?」

「あ、あの…」



……さすがに本当の事は言えない。

もし本当の事なんて言ったら、今度こそ本当に腰を抜かされるかも知れないし

かと言って、私が黒埼さんの家にいただけでも充分不自然だ。

叔母さんは私がどんな目にあったかなんて知らないんだし、普通に大学に通って普通に生活してるって思ってたんだから。


「あの、そ、の…」


どうしよう…、何て言おう。

こんな時に気のきいた嘘なんて出てこないよ。

しどろもどろになる私の横で叔母さんが小さく呟いた。



「あんな凄い人の家に普通の女子大生がいるってだけでも大変な事なんだからね」

「━━━━━━━━。」










ドクンッ











心臓が大きく脈打った。

























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