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BLACK WOLF
第15章 耳をすませ、爪を研いで
大きなドアのノブに手をかけると、いろんな思い出が蘇ってきた。
このドア、確か私を監禁するために内側にも鍵穴つけて中から開かない造りにしたんだよね。
最初は逃げ出せると思ってたのに、中からは開かないとわかって地獄の底に叩きつけられた気分だった。
その後、黒埼さんがお風呂に入ってる間にこっそり鍵を盗んでここから逃げ出した。
あの頃の私にとってはこのドアが1番憎かった。
ドアノブにグッと力を入れて手前に引こうとした。
もしかしたら鍵がかかってるかも、とか
もしかしたら留守かも知れない、とか
そんな事を考える前に━━━━━━
…ガチャ
私が力を入れる前に重く大きなドアは呆気なく開いてしまった。
あ、あれ?
このドア、こんなに軽かったっけ。
それほどあっさり開いたドアに驚いていると
開け放たれたドアから誰かが顔を出した。
「あ━━━━━━っ」
「……お、お嬢様っ!?」
開け放たれたドアから出てきたのは
「酒井、さん…」
ハウスキーパーの酒井さんだった。
酒井さんがいるってことは黒埼さんもまだいるはず。
時間的に酒井さんはもう仕事が終わって帰宅する時間。
私がドアを手前に引くのと同じタイミングで中から酒井さんがドアを押し開けたのか。
どおりで力も入れてないのにあっさり開いたわけだ。
ドアを開けようとしていた私を見つけ驚いたような顔をしている酒井さん。
…酒井さんに会うのも久しぶりだ。
「お、お久し振りです、酒井さん。あの黒埼さんは…」
「あ、旦那様は中に…」
そう。
私は今、自らの意思で黒埼さんに会いに来たのだ。
このドア、確か私を監禁するために内側にも鍵穴つけて中から開かない造りにしたんだよね。
最初は逃げ出せると思ってたのに、中からは開かないとわかって地獄の底に叩きつけられた気分だった。
その後、黒埼さんがお風呂に入ってる間にこっそり鍵を盗んでここから逃げ出した。
あの頃の私にとってはこのドアが1番憎かった。
ドアノブにグッと力を入れて手前に引こうとした。
もしかしたら鍵がかかってるかも、とか
もしかしたら留守かも知れない、とか
そんな事を考える前に━━━━━━
…ガチャ
私が力を入れる前に重く大きなドアは呆気なく開いてしまった。
あ、あれ?
このドア、こんなに軽かったっけ。
それほどあっさり開いたドアに驚いていると
開け放たれたドアから誰かが顔を出した。
「あ━━━━━━っ」
「……お、お嬢様っ!?」
開け放たれたドアから出てきたのは
「酒井、さん…」
ハウスキーパーの酒井さんだった。
酒井さんがいるってことは黒埼さんもまだいるはず。
時間的に酒井さんはもう仕事が終わって帰宅する時間。
私がドアを手前に引くのと同じタイミングで中から酒井さんがドアを押し開けたのか。
どおりで力も入れてないのにあっさり開いたわけだ。
ドアを開けようとしていた私を見つけ驚いたような顔をしている酒井さん。
…酒井さんに会うのも久しぶりだ。
「お、お久し振りです、酒井さん。あの黒埼さんは…」
「あ、旦那様は中に…」
そう。
私は今、自らの意思で黒埼さんに会いに来たのだ。