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BLACK WOLF
第15章 耳をすませ、爪を研いで
「ん……」
眠ってるのかな…。
アルコールの香りが部屋に充満してるけど、こんな時間から飲んでたのかな?
以前は、あちらこちらからバラの香りがしてて、黒埼さんはいつもスーツを着こなしていて、仕事の書類関係は全部鞄に入れて持ち歩いてたのに。
酒井さんが言ってた通り、荒れ果ててしまった黒埼さんの姿がそこにあった。
「……酒井か?」
黒埼さんの、声……。
久しぶりに聞いた、低くて色っぽい黒埼さんの声。
どうやら誰かの気配に気づいたみたい。
アイマスクのように腕で目を覆ってるせいか私の姿は見えてないみたいで、酒井さんと勘違いしてるみたいだ。
「忘れものでも?」
黒埼さん…。
私はあなたの口から全てを聞きたい。
あなたの本当の気持ちを知りたい。
「黒埼さん」
「……な」
私の声が黒埼さんの耳に届いたらしく、目を覆っていた腕をゆっくりと退けた。
「……お前、ど、して…ここに……っ」
「…………。」
私は…、戻ってきてしまった。
またひどい目に遭わされるかも知れないのに、こーして黒埼さんのそばまで来てしまった。
「バカかお前はっ……。こんな男の元にノコノコ帰って来やがってっ!」
状態を起こして、怒ったような口調と困ったような顔で髪をくしゃっと掻き上げた。
「黒埼さん…」
「帰れ!今の俺はお前に何するかわかんねぇぞっ!!」
「叔母さんから全て聞きました。本当のことを教えて下さい」
「帰れと言っただろっ!また縛られてめちゃくちゃにされてぇのか!?閉じ込められてぇのかっ!!」
眠ってるのかな…。
アルコールの香りが部屋に充満してるけど、こんな時間から飲んでたのかな?
以前は、あちらこちらからバラの香りがしてて、黒埼さんはいつもスーツを着こなしていて、仕事の書類関係は全部鞄に入れて持ち歩いてたのに。
酒井さんが言ってた通り、荒れ果ててしまった黒埼さんの姿がそこにあった。
「……酒井か?」
黒埼さんの、声……。
久しぶりに聞いた、低くて色っぽい黒埼さんの声。
どうやら誰かの気配に気づいたみたい。
アイマスクのように腕で目を覆ってるせいか私の姿は見えてないみたいで、酒井さんと勘違いしてるみたいだ。
「忘れものでも?」
黒埼さん…。
私はあなたの口から全てを聞きたい。
あなたの本当の気持ちを知りたい。
「黒埼さん」
「……な」
私の声が黒埼さんの耳に届いたらしく、目を覆っていた腕をゆっくりと退けた。
「……お前、ど、して…ここに……っ」
「…………。」
私は…、戻ってきてしまった。
またひどい目に遭わされるかも知れないのに、こーして黒埼さんのそばまで来てしまった。
「バカかお前はっ……。こんな男の元にノコノコ帰って来やがってっ!」
状態を起こして、怒ったような口調と困ったような顔で髪をくしゃっと掻き上げた。
「黒埼さん…」
「帰れ!今の俺はお前に何するかわかんねぇぞっ!!」
「叔母さんから全て聞きました。本当のことを教えて下さい」
「帰れと言っただろっ!また縛られてめちゃくちゃにされてぇのか!?閉じ込められてぇのかっ!!」