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BLACK WOLF
第15章 耳をすませ、爪を研いで
私から幼馴染みを奪い、大学やアルバイトまで奪い、私をこの邸に閉じ込め、弄び、蹂躙した。

酷い人だと、殺したいと思ったほどだった。

今もこーして抱き締められながら心がバラバラになりそうだった。

「どうし━━━━━━」






「好きだった…っ、誰にも取られたくなかった…っ!」


















え━━━━━……

今、何て言っ…

好、き?

黒埼さんが、私を…?













ギュッと私を抱き締める腕に力が入り、私の体は締め付けられるように痛かった。

けど、そんな事はどうでもよかった。

今の黒埼さんの発言に比べれば、そんな事は━━━━━








「くろさ……な、どう言う事…すか…?」

心臓が、痛い。

黒埼さんに心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと思うぐらい。


この体制じゃ黒埼さんの顔が見れない。

ま、またいつもみたいに私をからかってるの…?







「お前の…、母親までが亡くなったって聞いて慌ててお前の実家まで行ったら、お前がいた。あの幼馴染みの男と一緒に……っ」

あ、あの時だ。

私とハルちゃんが初めて黒埼さんに会ったあの日だ。

私もハルちゃんも黒埼さんの異様な出で立ちにびっくりして固まっちゃったんだ。

「すぐにわかった。
お前があの幼かった娘だって…。
どうしてかわかんねぇけど、ただそばに置きたい。
触れたい、俺のものにしたいとしか思えなかった…っ!
世話になった人の最期の別れの時だってぇのに…っ」


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