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BLACK WOLF
第15章 耳をすませ、爪を研いで






また、私を騙そうとしてるの…?

初めて会った時もそーやって優しくして、結局は私を騙して酷い目に合わせた。

今もこーして私を騙そうとしてるに決まってる。

そんな話、信じるもんか。

融資だの何だのって、両親が死んだ今となっては好き勝手に事実を脚色してるだけだ。

そんな話、誰が━━━━━━



「うっ、ひっく……」

「あの幼馴染みとお前を引き離そうとしてあんな事をしたけど、お前は最後まであの幼馴染みを庇ってた。
何をどうしてもお前の心は手に入らない。
それでも、惨めな思いをしても、蔑まれても、嫌われてもいいからって。
でも、お前の泣き顔を見てたら…っ」





私を見下ろす黒埼さんの顔は前髪に隠れてよく見えない。

それでも、今まで聞いたことのない黒埼さんの震えた声を聞いて思った。

もう1度、信じてもいいのかと…。






「黒埼さん、あの…━━━あっ!」

ブチッと言う音と共に私のブラウスのボタンが引きちぎられた。

バラバラと無惨に床に散らばるボタン。

前空きだった拭くのボタンが一気に引きちぎられたせいで私の胸元が露になってしまった。


「や、やだ…」

慌てて腕で隠そうとしたが…、その腕も黒埼さんに押さえつけられてしまう。

「な…っ」

「身を切られる思いでお前を手放して、酒でお前を忘れようとしたのに何で今更戻ってきたっ!?」

首元に顔を埋めながら、首元に軽く歯を立てられて

くすぐったさに身を捩ろうとすると、黒埼さんの腕が私の下半身に延びてきた。

「や、やめて…、黒埼さん…っ」

「必死に耐えてた理性を壊したのはお前だ」













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