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BLACK WOLF
第3章 狼の牙



この男の言ってる事がよくわからなかった。

何を言ってるのか理解するのに時間を要した。


けれど、私の体が危険信号を発している。


「あ…、縄、ほどいて…」








「お前は俺が買い取ったんだよ」









買い取った…?

買い取ったって、何…?

私は物じゃない。

買うとか売るとかって、何なの…?



「ン千万円の買い物なんだから、壊されても文句言うなよ」




冷たく見下ろす黒埼はそのまま私に股がり、ワンピースのスカートを一気に…。



いくら田舎育ちで鈍い私でもここまでされたらさすがに察する。

こいつは、この男は…っ!




「やだ…やめ…やめてっ!!いやぁぁぁぁっ!!!!!」

さっきよりも激しく、大声で抵抗したが…やっぱり誰も来てはくれない。

唯一自由な足をバタつかせようとしたが、男の力に勝てるわけもない。

「言ったろ?叫んでも抵抗しても無駄だって」

こんな、こんな奴になんて…。

こんな野蛮で粗野で最低な男に触れられるなんて死んだって嫌だ。

「嫌ああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」



ガリッ



足の爪先に嫌な感覚が走った。

力一杯抵抗した足が黒埼の頬に当たってしまったらしく、私の足の爪が黒埼の頬を引っ掻いてしまったみたいだ。



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