この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
BLACK WOLF
第16章 悲しき遠吠え

ハルちゃんは昔からそう。

昔から私の考えてることや言いたいことを全てわかってくれてる。

今だって、きっと

私のこのバカな気持ちに気づいてる。


「逃がしてくれた?…だったら、あんな男の事はもう忘れろよ!俺は別に傷ついてもいねぇし気にしてもいねぇし━━━━」

「そうじゃなくて…っ」


ハルちゃんは私が黒埼さんの元から逃げて来たと思ってるんだ。

でも本当は黒埼さんが逃がしてくれた。

私を自由にしてくれた。

自分の気持ちを押し殺し、嘘を付いて。



私を見つめるハルちゃんの目をちゃんと見れなかった。

ハルちゃんに悪くて、こんな自分を後ろめたくて。



「ハルちゃん、私はハルちゃんの元へはいけない…」

「舞…、まさか…」

「あんな最低な人だけど、本当は…っ」

「ふざけんなっ!」


張り上げられたその声に体がビクッと硬直した。

肩を掴まれたまま、まるで私を説得するように。



「お前は騙されてんだっ!あいつはただの鬼畜だっ!お前だってあんな目に遭わされたんだぞっ!なのに、何で…っ」

うん、そうだよね。

自分でだって、何をしようとしてるのかわからなかった。

普通ならあんな人、絶対大嫌いになるはずなのに。

「舞…っ、こっち見ろよ…。頼むから…っ」



でも、あの人は…、ずっと私の事を…っ。



「ごめんね、ハルちゃん…」



私は…、最低だ。

でも、最低の人間に成り下がったとしてもこれだけは譲れない。



「謝んなよ…っ、謝られたら…っ!ちくしょ…」

歯を食い縛りながら私の肩から手を退けてくれた。

けど、その腕は小さく震えていた。


「さっさと行けよ…」

「…え?」

「顔見てたら、決心が鈍る…っ!」









/269ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ