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BLACK WOLF
第4章 その檻の中
続いて、黒埼の後を着いて行き辿り着いたのは…リビング。
大きなソファに大きなテレビに庭を一望できる大きな窓。
真っ白な内壁に黒の家具。
白と黒が入り交じった空間に漂う芳香剤のような香り。
薔薇の香り。
黒埼はソファに腰を下ろし目の前に立ちすくむ私を見ながら、まるで品定めするかのようにジロジロと私の体を見渡している。
その視線が逆に恥ずかしい。
まるで、視線で辱しめられてるみたいだ。
「それで…、自宅にまで連れてきて、何をする気…?」
下手をすれば山奥の一歩手前だ。
叫んでも怒鳴っても誰も来ない。
ここから都心まで、歩いてじゃとてもじゃないが辿り着けない。
そんな場所に連れてきて何をする気だろう?
考えただけで恐くて体が震えてる。
「今日からお前もここに住むんだよ」
「……え?」
ここに、住む…?
この、屋敷みたいな広い家に、こんな男と一緒に…?
「同じ山奥でもお前の田舎と比べたらまだ近代的だぞ?」
こんな、人も来ないような家に…?
こんなの、ただの軟禁じゃない!
「ふ、ふざけないで!誰があんたなんかと一緒に…っ!」
こんな奴とひとつ屋根の下になんて真っ平だ。
しかもこんな人里離れた場所でなんて何をされるかわかったもんじゃない。
けど…っ
「帰りたかったらどうぞ」
「この…鬼…」
帰れない。
今帰ったら、ハルちゃんが…。
私の大切な幼馴染みが…っ。
下唇を噛み締めながらこの男に従うしかない自分を恨んだ。
「お喋りは飽きた。腹も減ったし、ちょっと遅いが昼飯にするか?」
「……キッチンはどこ?」
この家の雑用係か、それとも召し使いか?
私はこの男に尽くすしかないのだ。
どんなに泣いても恨んでも抗っても、私はこの男から逃げられない。
大きなソファに大きなテレビに庭を一望できる大きな窓。
真っ白な内壁に黒の家具。
白と黒が入り交じった空間に漂う芳香剤のような香り。
薔薇の香り。
黒埼はソファに腰を下ろし目の前に立ちすくむ私を見ながら、まるで品定めするかのようにジロジロと私の体を見渡している。
その視線が逆に恥ずかしい。
まるで、視線で辱しめられてるみたいだ。
「それで…、自宅にまで連れてきて、何をする気…?」
下手をすれば山奥の一歩手前だ。
叫んでも怒鳴っても誰も来ない。
ここから都心まで、歩いてじゃとてもじゃないが辿り着けない。
そんな場所に連れてきて何をする気だろう?
考えただけで恐くて体が震えてる。
「今日からお前もここに住むんだよ」
「……え?」
ここに、住む…?
この、屋敷みたいな広い家に、こんな男と一緒に…?
「同じ山奥でもお前の田舎と比べたらまだ近代的だぞ?」
こんな、人も来ないような家に…?
こんなの、ただの軟禁じゃない!
「ふ、ふざけないで!誰があんたなんかと一緒に…っ!」
こんな奴とひとつ屋根の下になんて真っ平だ。
しかもこんな人里離れた場所でなんて何をされるかわかったもんじゃない。
けど…っ
「帰りたかったらどうぞ」
「この…鬼…」
帰れない。
今帰ったら、ハルちゃんが…。
私の大切な幼馴染みが…っ。
下唇を噛み締めながらこの男に従うしかない自分を恨んだ。
「お喋りは飽きた。腹も減ったし、ちょっと遅いが昼飯にするか?」
「……キッチンはどこ?」
この家の雑用係か、それとも召し使いか?
私はこの男に尽くすしかないのだ。
どんなに泣いても恨んでも抗っても、私はこの男から逃げられない。