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BLACK WOLF
第4章 その檻の中
「は?キッチンで何する気だ?」

「何って…料理…」

どうせ毎日、バカ高い高級ディナーでも食べてるんだし私の料理なんて口に合わないだろうけど、私はこの男に買われたんだ。

こんな奴に料理を作るなんて死んでも御免だが私に逆らう権利なんて…

「そんな事する必要ねぇよ。デリバリーでいいだろ?」

「え…だって…」

「田舎料理なんて俺の口に合わねぇし、毒でも入れられたらたまんねぇし」

…そーいうことか。

元々こんな奴に振る舞うつもりなんてなかったし、馬鹿にはされたがそれでもいい。

「…だったら掃除でもしてるわよ」

「掃除もいい。週に3回ほどハウスキーパーを雇ってるし、俺もあんまり家にいねぇし」

「じゃあ…」




それじゃあ、どうして私を買ったの?

タダ働きをさせるメイドじゃないの?





黒埼の意図がわからない。

だったら私はどうしてこの家に連れてこられたのか。

私をどんなことに使うのか。

借金のカタとは言え何も出来ない世間知らずな田舎娘を家に置いておく理由って?

只の観賞愛玩具ならもっと他に綺麗な人はいっぱいいる。




「じゃあ…何の目的で私をここに…?」

「お前の体をバラバラに切り刻んで、使えそうな臓器を海外に売り払うため」

「…なっ!」

「…って、そーいう類いの理由が必要なのか?」

…この人、完全に私をからかって楽しんでる。

こんな豪邸を所有してるぐらいなのだから相当なお金持ちだということはわかる。

それこそ、何かの悪事を働いてるんじゃないかと思うぐらい。

その上で、そのジョークは流石に笑えない。







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