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BLACK WOLF
第4章 その檻の中
「わ、私の事…、買ったって言ったじゃない。なのに、何もさせないなんて有り得ない。何か理由があって買ったんでしょ?」

私には借金のカタになりそうな何かがあったから買ったのだろう。

借金の額がいくらかは知らないが、返済出来るだけの何かがあったのだろう。

「じゃあ、お近づきの印のプレゼントをもう1つ…」








黒埼に連れられリビングを出た。

そのまま長い廊下を歩き、階段を登り、連れてこられたのは…。

「どうぞ」

黒埼がドアを開け放ったその部屋は…

「な、何ここ…」

先程と同様、真っ白な内壁が姿を表せた。

その他に、大きなベッドに大きなクローゼット。

化粧台に、可愛いテーブルと、天井にはシャンデリアみたいな電気と木々を見渡せる窓と…。



どう見てもここは女性の部屋だ。

先程のリビングと違うのは家具は全て真っ白やベージュの淡い色で統一されている。

「お前の部屋だ」

「…えっ?わ、私の…?」

ドアを開けたまま私を中へエスコートするように黒埼が手を伸ばす。

見たこともない綺麗な部屋に一瞬自分の置かれてる状況を忘れてしまった。

実家にある私の部屋は畳で、シンプルな勉強机と桐箪笥。

ベッドなんて物はなく、畳に布団を敷いて寝てた。

その布団をしまって置ける押し入れがある、8帖ぐらいの和室だった。

東京に引っ越して来てからのアパートはフローリングの床に備え付けのベッド。

あとは服や貴重品を入れておく小さな箪笥と小さなテレビ。

必要最低限の電化製品と日用雑貨しか揃えなかった。

そんな私にとってはこの部屋は別世界だった。


「女性が喜びそうな部屋なんてわかんねぇから適当に揃えた。不満や要望があれば聞いてやる」














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