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第4章 その檻の中

な、何なのこの人…。

一瞬この部屋の豪華さにたじろいでしまったが…。

私の事をモノのように買って、私の体を強引に蝕み、こんな山奥の自宅に軟禁するかと思えばこんな豪華な部屋を私に与えて…。

女性を屋根裏や物置小屋に住まわせるのが可哀想と思っただけかも知れないが

一体この人は何がしたいの？

「クローゼットに服が入ってる。後で着てみろ」

…と、言っても全部黒埼好みの服なんだろう。

「一体、何が目的なんですか…？」

「目的？」




酷いことしたり、優しくしたり、かと思えばまた酷いことを言ったり

瞬きするたびに違う黒埼が見えてるようだった。

黒埼に背中を向けたまま、心の声が止まらなくなってしまった。




「どうして、私にこんなこと…っ。優しくしたり酷いことしたり、一体何がしたいんですか…っ？」

まるで多重人格者だ。

違う顔ばかり覗かせてばかりで、こちらの頭がおかしくなりそうだった。




「優しい？俺が？」

「だって…っ」

「ははっ。何か勘違いしてんじゃねぇか？」

「え…？」