この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
BLACK WOLF
第4章 その檻の中
グイッ
「……っ!」
私の腕を引っ張りそのまま部屋の中へ私を連れ込み
大きなふかふかのベッドに叩き付けた。
が、ベッドに引かれたマットレスとスプリング、布団の柔らかさで衝撃は和らいだ。
「いっ…」
ベッドに沈む体を起こそうとしたが…、私の体の上に被る体重のせいで上手く体を起こせない。
黒埼が私の体の上に覆い被さるようにまたがっているのだ。
「な、何を…っ?」
「お前はちゃんとした使い道があるから買い取ったんだ。ペットみたいに可愛がるためじゃねぇよ」
そんなのわかってる。
使い道のない女を大金の変わりにするはずがない。
さっきみたいな狼の目。
背筋が凍る。
恐い。
「わ、私に何をする気…?どうして…?」
この目で見つめられただけでまるで金縛りにあったみたいに体が動かない。
そのままベッドの上で、後ろへ後ろへ逃げるしかない。
このままじゃ、また━━━━━━
「お前は、俺が買い取った人形だ」
え…?
人形…?
何、それ…?
「に、んぎょ…?」
訳がわからずポカンとする私。
どうせロクな理由ではないだろうとは思っていたが、人形って…?
「人形なんだからお前の意思なんか知ったことじゃない。ただ人形のように大人しくしてればいいんだ」
………っ!
そーいうことか。
人形って、何も考えず、何も喋らず、口答えもせず、ただ大人しくしているだけ。
この男のいいように扱われるだけの存在。