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BLACK WOLF
第1章 黒い薔薇

誰もいない、ハルちゃんと私しかいない河原で母との思い出を思い出しながら気が済むまで泣いた。
ハルちゃんは黙って私のそばにいてくれて、私が落ち着くまでずっと私の頭を撫でてくれていた。
さっきまで母の亡骸を目の前にしても何も感じなかったのに。
母の一つ一つを思い出していくうちに現実なんだと思い知らせてしまう。
母はもうこの世にいない、2度と会えない。
確かにうちは裕福じゃなく、どちらかと言えば貧乏だったけど、それでも私は幸せだった。
母が作ってくれた手料理やお弁当の味。
運動会を応援しに来てくれたこと。
東京の大学に受かったときに真っ先に喜んでくれたこと。
どれもこれも私にはかけがえのない大切な思い出ばかりだ。
「舞…お前がどうしても無理なら俺が…」
「うぅん、大丈夫。母の最期をちゃんと見届けなきゃ…」
どんなに悲しくても、いつか涙は枯れるものだ。
一頻り、気の済むまで泣いた私は急に変な義務感に襲われた。
いつまでもべそをかいてもいられない。
私がやらなきゃ誰が母を見送るの?
いつまでも泣いてばかりじゃなくしっかり見送らなきゃ母が安心して旅立てないじゃない。
気付けば、お腹も空いたし。
「でもさ、ハルちゃんの手ってそんなにおっきかったっけ?」
「舞の頭がちっせぇんだよ」
「そう?ハルちゃんの手がゴリラ並みなんじゃないの?」
「さっきまで人の胸で泣いてとは思えねぇな…」
「えー?ハルちゃんの胸は借りてないよ?」
「はぁ?ずっとしがみついてただろーが!」
何も言わずにただ私のそばにいてくれた。
私を1人にせず、ずっと私の隣で支えてくれてた。
私がどんなに軽口叩いても笑って受け流してくれる。
ハルちゃんは黙って私のそばにいてくれて、私が落ち着くまでずっと私の頭を撫でてくれていた。
さっきまで母の亡骸を目の前にしても何も感じなかったのに。
母の一つ一つを思い出していくうちに現実なんだと思い知らせてしまう。
母はもうこの世にいない、2度と会えない。
確かにうちは裕福じゃなく、どちらかと言えば貧乏だったけど、それでも私は幸せだった。
母が作ってくれた手料理やお弁当の味。
運動会を応援しに来てくれたこと。
東京の大学に受かったときに真っ先に喜んでくれたこと。
どれもこれも私にはかけがえのない大切な思い出ばかりだ。
「舞…お前がどうしても無理なら俺が…」
「うぅん、大丈夫。母の最期をちゃんと見届けなきゃ…」
どんなに悲しくても、いつか涙は枯れるものだ。
一頻り、気の済むまで泣いた私は急に変な義務感に襲われた。
いつまでもべそをかいてもいられない。
私がやらなきゃ誰が母を見送るの?
いつまでも泣いてばかりじゃなくしっかり見送らなきゃ母が安心して旅立てないじゃない。
気付けば、お腹も空いたし。
「でもさ、ハルちゃんの手ってそんなにおっきかったっけ?」
「舞の頭がちっせぇんだよ」
「そう?ハルちゃんの手がゴリラ並みなんじゃないの?」
「さっきまで人の胸で泣いてとは思えねぇな…」
「えー?ハルちゃんの胸は借りてないよ?」
「はぁ?ずっとしがみついてただろーが!」
何も言わずにただ私のそばにいてくれた。
私を1人にせず、ずっと私の隣で支えてくれてた。
私がどんなに軽口叩いても笑って受け流してくれる。

