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BLACK WOLF
第1章 黒い薔薇
家に戻るとさっきよりも人が増えていた。

ハルちゃんのご両親や、昔から私を可愛がってくれた近所のおじちゃんやおばちゃん達。

中には知らない人もいるけど。

家の中に入り母の姿を見るのは辛く涙が込み上げて来そうになったけど。

「大丈夫。着いててやるから」

ハルちゃんのその一言が私を奮い立たせていた。




お母さん、私もう大丈夫だから。

もう1人で歩けるから。

だからお母さん、もう何も心配しないで、安心して休んで。

もう苦労も辛さも何も味合わなくていいから。




ハルちゃんと一緒に母の姿を前にして必死に心の中で母にそう呟いた。





その後は変わる変わる知ってる顔や知らない顔がやって来て、私にお悔やみの言葉を言って

そして神妙な面持ちで我が家を後にする。

田舎にしては結構な人数だ。

それだけ母は皆様から慕われてたんだろう。

安らかな母の顔を見ながら私はどこかホッとしてた。



ようやく人の足も途絶え出した頃だ。

時刻は恐らく夕方ぐらい。



「さすがに昼飯抜きだから腹減ったわー…」

「お疲れ様。ありがとうね、ハルちゃん」

「…別にこれくらい」


お昼は泣きじゃくる私に付き添ってくれてたもんね。

今もこーして私が辛く寂しくないように隣にいてくれてる。


「ハルちゃん、ご飯どうする?実家で食べるの?」

「いやー…、帰ったらまた見合いしろしろうるさいから…まだ二十歳にもなってねぇのに…」

「じゃあ、ここで食べる?何か作るよ」

「マジ?…あー、でも舞の料理なんか食えんのかー?」

「失礼ね!これでもいつも自炊してるんだから!」


それに蝋燭の火は絶やしちゃいけないとか何とか言われてるし、1人じゃ何だか心細いし。


「じゃあ、とりあえず何か買い出しに行くか?親父に車借りて来るわ」

「うん、私もちょっと着替えたいから」









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