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BLACK WOLF
第6章 狼は爪を研ぎながら
嫌な予感がした。

と、共にさっきとは違う動悸が私を襲う。



まさか…。

まさか、この家って中からも外からも鍵が必要なの?

そして、鍵は恐らく黒埼が持ってるんだ。

私をこの家から出られないように、本当に監禁出来るように鍵を…っ?




ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ





慌ててリビングへと戻った。

庭が一望出来る大きな窓。

その窓のそばに置かれた観葉植物の植木鉢を持ち、その窓のガラスに向けて思い切り降り下ろした。






私はここから逃げる。

絶対に…っ!!





━━━━━━ガシャンッ!





大きな音を立てて私の足元に無惨に砕け散る植木鉢と観葉植物。

当のガラスは…、ヒビ1つ入っていない。

合成樹脂?防弾ガラス?

しかも、外に出られないようにただガラスを嵌め込んだだけの窓。

鍵も何も付いてない。

あるのは、窓の上についてる換気用の小さな小窓だけで、その小窓には牢屋のような鉄格子がはめこまれていた。





ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ






「い、いや…。何よここ…」






まさか、家中のガラスは全部?

私を外に出さないように?





体が震えた。

また地獄の底に叩きつけられたような気分だった。

あの男は、私を閉じ込めておくためにこんなことまで…。






「あっ、電話…」



そうだ、電話だ。

電話があれば警察に電話出来る。

通報すれば逆探知で見つけて貰えるかも知れない。

震える足を必死に立たせて電話器を探しだした。









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