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BLACK WOLF
第6章 狼は爪を研ぎながら
顔を上げて気だるそうに壁にかかった時計を見ると、PM16:45。
……仕事を持ち帰る割りにはずいぶん早く終わる会社なんだな。
私には関係ないけど。
「部屋に戻って何をしてろって言うの…?」
黒埼は鞄から出した大量の書類をテーブルに広げながら1枚1枚目を通している。
「嫌なら勝手にしろ。この家のものは好きに使っていい」
…さっきは顔を上げるのすら面倒で黒埼の顔をちゃんと見てなかったから気づかなかったが
眼鏡かけてるんだ。
昨日とは全く違う黒埼がそこにいた。
眼鏡をかけ、真剣な表情で書類を読んでいる。
「2階の1番奥の部屋はルームシアター使用になってるし、それなりに映画も揃えてある。本もゲームもあるぞ?」
…別に暇とかそんなことを言ってるんじゃない。
こんな絶望的な気持ちで映画なんて見れるわけがない。
今の私は何をしてても心は晴れない。
「私をここから出して」
当たり前だが、今の私の望みはこれだ。
駄目だとわかっていても口に出さずにはいられなかった。
「OKすると思ってんのか?何度も言うようだがお前は俺のもんだ」
わかってたことだけど。
……仕事を持ち帰る割りにはずいぶん早く終わる会社なんだな。
私には関係ないけど。
「部屋に戻って何をしてろって言うの…?」
黒埼は鞄から出した大量の書類をテーブルに広げながら1枚1枚目を通している。
「嫌なら勝手にしろ。この家のものは好きに使っていい」
…さっきは顔を上げるのすら面倒で黒埼の顔をちゃんと見てなかったから気づかなかったが
眼鏡かけてるんだ。
昨日とは全く違う黒埼がそこにいた。
眼鏡をかけ、真剣な表情で書類を読んでいる。
「2階の1番奥の部屋はルームシアター使用になってるし、それなりに映画も揃えてある。本もゲームもあるぞ?」
…別に暇とかそんなことを言ってるんじゃない。
こんな絶望的な気持ちで映画なんて見れるわけがない。
今の私は何をしてても心は晴れない。
「私をここから出して」
当たり前だが、今の私の望みはこれだ。
駄目だとわかっていても口に出さずにはいられなかった。
「OKすると思ってんのか?何度も言うようだがお前は俺のもんだ」
わかってたことだけど。