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BLACK WOLF
第6章 狼は爪を研ぎながら
ここに来て初めて会う外部の人間。
一瞬驚いたが黒埼じゃなくてちょっとホッとした。
「さ、キッチンの方へ」
私に向かって話しかけてるし、お嬢様というのは私の事で間違いないみたい。
酒井と名乗るその女性に招かれてダイニングキッチンへ向かうことにした。
まだ食欲は戻らないが空腹でお腹は鳴ってる。
しかし、ダイニングキッチンのドアを開けると
テーブルの上には1人分の食事しか用意されてなかった。
「お席にどうぞ」
私を席に案内すると、酒井さんはキッチンの方へ消えて行った。
黒埼がいない…?
どう見ても私の分しか用意されてない。
「あの、黒埼…さんは?」
「旦那様は急なお仕事とかで先程お出かけになりました」
じゃあ、今日の食事は私1人か。
あの恐い目に見つめられながら食事するよりはマシか。
「お嬢様が夜1人で寂しがってはいけないからそばにいてやってくれと頼まれましたので…」
「…そうですか」
つまり監視役ね。
子供じゃないんだから寂しがるわけないじゃない。
それに、1人で過ごすのには慣れてる。
いつもアパートで1人だったんだから。
「お嬢様、飲み物はどうなさいますか?」
キッチンで洗い物をしながら優しい声で私に話しかけてくれる。
優しそうな人だし、悪い人ってわけでもなさそうだけど。
「私、別に"お嬢様"ってわけじゃ…」
あの男と血縁関係があるわけじゃないし、身内でもない。
ただ、あの男に飼われてるだけだ。
一瞬驚いたが黒埼じゃなくてちょっとホッとした。
「さ、キッチンの方へ」
私に向かって話しかけてるし、お嬢様というのは私の事で間違いないみたい。
酒井と名乗るその女性に招かれてダイニングキッチンへ向かうことにした。
まだ食欲は戻らないが空腹でお腹は鳴ってる。
しかし、ダイニングキッチンのドアを開けると
テーブルの上には1人分の食事しか用意されてなかった。
「お席にどうぞ」
私を席に案内すると、酒井さんはキッチンの方へ消えて行った。
黒埼がいない…?
どう見ても私の分しか用意されてない。
「あの、黒埼…さんは?」
「旦那様は急なお仕事とかで先程お出かけになりました」
じゃあ、今日の食事は私1人か。
あの恐い目に見つめられながら食事するよりはマシか。
「お嬢様が夜1人で寂しがってはいけないからそばにいてやってくれと頼まれましたので…」
「…そうですか」
つまり監視役ね。
子供じゃないんだから寂しがるわけないじゃない。
それに、1人で過ごすのには慣れてる。
いつもアパートで1人だったんだから。
「お嬢様、飲み物はどうなさいますか?」
キッチンで洗い物をしながら優しい声で私に話しかけてくれる。
優しそうな人だし、悪い人ってわけでもなさそうだけど。
「私、別に"お嬢様"ってわけじゃ…」
あの男と血縁関係があるわけじゃないし、身内でもない。
ただ、あの男に飼われてるだけだ。