この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
BLACK WOLF
第6章 狼は爪を研ぎながら
「あの人は…優しくなんかないです…」

小さくそう呟いた。

この家に私の味方はいない。

これぐらいの反抗しか出来なかった。

自分でも信じられないよ。

拉致監禁なんて、ニュースでしか見たことのないような出来事に巻き込まれるなんて…。


「そんなことありません。お優しい方ですよ。今日の食事もお嬢様好みにと仰ってましたし」


え…?

私好みって…?



もう1度テーブルの上の料理を見てみると



「和食なんて久しぶりですよ。旦那様は洋食しか召し上がりませんから」



肉じゃがにほうれん草のお浸しにお味噌汁、小皿に盛られた白菜の漬け物。



洋風のダイニングキッチンには似合わない和食メニュー。



「あの、これは…?」

「お嬢様は和食好きだからと━━━」



ここに来たときは、生きた心地がしなくて、嗅覚や味覚や視覚のほとんどが鈍ってたけど

今、目の前にあるこのメニューは




どれもこれも懐かしい香り。

実の母親の味とはいかないけど、母親が作ってくれたものばかりだ。

小さい頃、お母さんと一緒に食べた料理。

お母さんの香りと味。




これを黒埼が…?

私のために作らせた…?

…違う、騙されたりしない。

こんなもので騙されたりしない。

優しいフリをしてるだけだ。

あの人の本性はただの最低な男だ…っ。


























/269ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ