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煮詰めたシチュー
第5章 雑記 恋がつくるモノ
恋焦がれた奥さんという幻影が、目の前に実体となって現れた時、私のとった行動は物陰に隠れるというコソ泥のような卑しいものでした。
一目見れたという喜びはなく、他人の秘密を盗み取るパパラッチと同類の薄汚い歓喜だったのです。
ストーカーまがいの、卑屈で愚かな行動の果てに見つけたドス黒い感情。それは男と女の関係になる前にはなかった感情でした。
こんなものが恋心であるはずがない。
自分がこんな所まで来たのは、性欲を起因とする、不謹慎な幻想の追従でしかなかったんじゃないか・・・。