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煮詰めたシチュー
第5章 雑記 恋がつくるモノ
この人についていけば、そこに奥さんがいる・・・。
そう思うと、いてもたってもいられません。
私は財布をポケットにしまい、ご主人の後をつけました。
15分ほど歩いてご主人は家に着きました。
鍵を持たないのか、インターホンを押して自分が帰ったことを伝えています。
カチャン、と鍵の音がして玄関扉が開きます。
鼓動で心臓が破れそうでした。
ほんの一瞬、奥さんが見え、咄嗟に私は電柱の陰に隠れました。
その時の気持ちを今も忘れません。
ときめきも何もない、あの腐りきった感情。