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煮詰めたシチュー
第10章 雑記 哀しい病
失敗しない人間はいません。
人間のやることなすこと、ほとんどが失敗なのですから、失敗すること、それから逃げ出すことはちっとも恥ずかしいことじゃない。
いくらでも失敗して、またチャレンジしてもいいし、ダメならあきらめてもいい。
17歳の命と引替えにできるほど重要なことなど、この世にありはしないのですから。
彼は彼を支える心の張りを失ったんだと思います。
経験上、私なりにそう推し量ることができました。
思考の袋小路のようなところに迷い込んで空回りしてしまうと、心の中へは何も入ってこず、出すこともできなくなってしまうものです。
心が溶け、腐っていく中で、自殺は彼の最終的な自己防衛だったのかもしれません。
わずかに残った判断力がそれを選択させたのかもしれない。