この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
煮詰めたシチュー
第10章 雑記 哀しい病
私は自殺する人が決して弱いとは思いません。
彼が辛いことから¨逃げた¨とも思えない。
逃げることは逃げ場のある者だけができることで、彼は逃げ場を用意していなかったと思うのです。
彼自身がそうしたのか、顧問がそうさせたのかわかりませんが、退路を断ってスポーツに臨んでしまったのかもしれません。
たしかに退路を断つことで無理に前を向くことができるのかもしれませんが、私はそのやり方には賛成しかねます。
彼のように責任感が強い人ほど、繊細で心に負荷を受けやすい。
こういった気概のある子にこそ、あらかじめ逃げ道を教えてあげるべきだったと思います。