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煮詰めたシチュー
第10章 雑記 哀しい病
何をしていても、がっかりした思いが心にこびりついて離れませんでした。
振りほどく気もおこりません。
まわりから声をかけられるのが苦痛で、励ましの言葉なんかは迷惑に感じていました。
喜ばしいことを不謹慎に思い、楽しげな雰囲気のあるところには近づかないようにしていました。そういった場で愛想笑いをすることに疲労を覚えてしまうのです。
励ましや、気遣いの最後には必ず¨頑張れよ¨の一言がついてきます。相手に悪意がないのは判っているんですが、当時の私には¨頑張りが足りない¨と聞こえるのです。
そうやって他人から気遣われると、自分のダメさ加減を再認識させられてしまって、すごく疲れました。
『他人のお前らが理解できるはずがないだろう』とも思っていました。