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煮詰めたシチュー
第10章 雑記 哀しい病
   
久しぶりに友人に会った、その帰り道のことです。
私にとって大きな出来事がありました。

幹線道路から一本山側の交通量の少ない、いわゆる裏道を走っていました。
狭くはない道ですから、どの車も皆ビュンビュン飛ばしていました。

そこに突然飛び出してきた子供が、私の目の前で対向車線の車に跳ね飛ばされたのです。
一瞬の出来事でした。

断末魔の叫びのようなタイヤの音が響き、やけに大きな丸みのある高い鳴き声が、嫌な余韻を持って私の耳に飛び込みました。
その瞬間、自分の鼓動が喉のあたりにまで駆け上がってきたのを覚えています。



   
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