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煮詰めたシチュー
第10章 雑記 哀しい病
息苦しくなり、少し行ったところで車を停めて息を整えました。
¨また嫌なことが起こった¨という気持ちでいっぱいでした。
バックミラーに目をやると、道路の真ん中で幾らか痙攣したあと、絶命していく犬の姿がありました。
跳ねられたのは子供ではなく犬だったのです。
ホッとしたとたんに全身から力が抜けました。
長らく味わうことのなかった大きな安堵でした。
その安堵感が私の気を善くしました。
普段なら絶対にしないのですが、押し出されるように車から降り、事故のあった場所に戻ったのです。