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煮詰めたシチュー
第10章 雑記 哀しい病
   
大人として恥ずかしいことですが、私はその男の子に声をかけることができず、当分のあいだ、茫然と立つ男の子の小さな背を見つめていました。

私だけがそう感じていたのかもしれませんが、あのとき男の子は、私が近づくのを躊躇させる何かを、体中から滲ませていたように思います。




   
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