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煮詰めたシチュー
第10章 雑記 哀しい病
歩道に横たわる死骸を見て、やっと愛犬が死んだことを理解した男の子は、大声で何かわめいた後その場にしゃがみ込み、うめくように泣いていました。
死んだ茶色のシェパードの前にちょこんと座り、毛並みにそって亡骸を撫でる男の子を見ていると、こんな小さな子でも、愛犬を死なせてしまった罪悪感を背負わされるのか、と男の子を不憫に思いました。
かわいそうだとか、なぐさめるだとか、そういったかりそめの同情は、彼に対して軽薄な行為に思えました。