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煮詰めたシチュー
第10章 雑記 哀しい病
   
小さな男の子が私に教えてくれたこと。
それは私の錯覚でした。

己の死によって、息子を失くした苦しみも哀しみも、何もかも¨無くなる¨という思い込みがありました。

でもそれは無くなるのではなく、残った者に押し付けているだけなんですね。
同じ悲哀を持つ者に対して、これほど残酷な仕打ちはありません。



   
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