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煮詰めたシチュー
第10章 雑記 哀しい病
ただこれはあのときハッキリとそう思えたのではなく、少し時間がたってからでした。
そのときの私には何か胸のすくような感覚があっただけで、論理的な解釈はできていなかったと思います。
あらゆる証左や検証作業を端しょった、言うならば直感のようなもので、言語感覚のない解答をいきなり得たような感じでした。
今思うと、その解答は元々自分の中に持っていたものだったように思います。
あの男の子の愛犬の亡骸を撫でる姿が、それを導き出してくれた、としか言いようがありません。