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第10章 雑記　哀しい病

　　　
失われる側の哀しみがどれほど大きなものであるかということ。
たまたまあの事故に遭遇したことで、そこに考えが及んだことが再び私と生とを結びつけました。

自分勝手に自分の命を絶つことで、どれだけの人が打ちひしがれ、哀しみに暮れる日々をおくることになるのか。

もし哀しみに重量があるとすれば、その重みが残った人を押し潰すのではないか。
そもそも今までの自分がそうではなかったか。
それを妻や友人に押し付けていいわけがない。
そういう思いが、その日からの私を支えています。