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煮詰めたシチュー
第11章 「星と僕たちのあいだに」 あとがき
連載中から「星僕」にはたくさんのメッセージをいただきました。
好意的なお言葉が多く、そのなかに「早苗を幸せにしてやってほしい」というメッセージを多数いただきました。
そのときに思いましたのは、読者様の心の内にも、登場人物がしっかり生きている、ということでした。
早苗は特に思い入れのある登場人物でしたので、そのように言っていただけて嬉しかったです。
圭司が主人公で麻衣がヒロインの形をとっていますが、「星僕」の実際は、早苗という勝気で不器用で愛らしい女性を描き出すための物語でありました。
プロット、といいましても簡単なものでしたが、物語の大筋がまとまった段階では、早苗はシンガポール転勤を契機にして圭司への想いを絶つことになっていました。
渡瀬も病気で死んでいました。
ちなみに初稿での冒頭は、写真家として成功した圭司の出版記念サイン会に、直樹を連れてやって来た麻衣と再会するところから始まっています。
そこからの回想が現在「星僕」の本編となっています。