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煮詰めたシチュー
第11章 「星と僕たちのあいだに」 あとがき
舞台は都市部に程近い港町。私の生まれ育った町の近辺をイメージしていました。
短期間ですが、実際にレンガ造りの倉庫で共同生活をしていたこともあり、さまざまな職種の仲間たちと、当時抱いていた夢や悩みを語りあった日々を思い起こしました。
そこにイラストレーターはおりませんでしたが、プロのカメラマンになった者、女優になる夢をかなえたあと結婚して子宝に恵まれた者、商社勤めの者は大出世して現在もバリバリ働いております。
複雑でわずらわしい恋模様もありましたし、仲間の死があり、新しい出会いがあり、それとは逆に巣立っていく者もあり、そっくり同じとまではいかないにしても、おおむね「星僕」のような日常がありました。
駆け出しの大人になりかけていたその時期に、私という人間の基礎が形成されたように思います。